「人は変われる」を前提に考えよ:《嫌われる勇気》を読みました

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「嫌われる勇気」読みました。

P38に出てくる言葉 "「人は変われる」を前提に考えよ" が印象的で気に入ったので、タイトルとして引用しました。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

以前から気になっていたのだけど、何故か手にせず、
本屋で平積みになっていたのをみて、ついに買ってみました。
今引き寄せられたというか、ナイスタイミングだったんだなという気分。

私事なんですが、主に仕事で、近頃困っておりました。
組織がどうこうというより、組織にいる自分の心持ちがどうこうで。
何か抜けられる方法はないかと、より一層読書に傾倒していたりして。

「人は変われる」って絶対に何歳になっても考え方は枠組みごと入れ替わったりするものだ。と信じて(望んで)やまない。 
だから、何かパラダイムシフトが起こるようなきっかけが欲しくて、すがるように言葉を漁っていました。

起こった物事には、もともと含められた意味や価値はなくて

それゆえ、全て、受け取り手の解釈の問題である。
という、アドラー心理学とか " 神との対話 " で出てくるような考え方は、実は結構馴染めます。

というのも、そもそも基本的にわたしはそんな考え方をしてたんだった。
外界から自分への様々な入力と、自分から外界への様々な出力があって、その中間にいる「ひと」がどう処理するかだと。

以前こんなことを書きました。

8saki.hatenablog.com

いつからかそういう風に考えて生きていくようになっていたし、
今のところある程度真理っぽいなと思って採用しています。

「ひと」がどう処理するのか、その処理の仕方が自分で変えられるなら、
変えたいし、変えるべきだ。とも思っている。

自分にも入力されるけど、自分は他人に影響する出力側でもあるから。
それはもはや個人だけの問題ではないから。

 

ところでどうしてこういう考え方になったのか、所以がわからない。

booklog の本棚を眺めても、影響を受けたであろう本にピンとくるものが見つからず。
自分が何に触れ、何を考えてこういう思考を構築したのかが気になる、、 

私が22歳頃からの友人で、デザインと人生の先輩のような人に、
「感情に呑まれるな」、「感情を客観的に見ろ」、「怒りは自分自身じゃない」、と繰り返し繰り返し言われていたことは覚えています。

自分自身、もう手遅れだと思ったのに変わることができた過去があるから、
きっとみんなメガネを変えたらどうにでも生きられるんだと思う。

そのメガネを選んでいるのは自分自身だ。

結局 "感情" って大事なの?

すがるように多読することは今に始まったことではなく、10代の頃からの習慣ではあるのですが、
とくに感情というものの位置付けに関したことで、どうにもずっともやもやと腑に落ちないことがあった。

例えばこのふたつ。

  • 感情を大切にしないと人間らしく生きられない
  • 感情は当てにならないので征するように努める

この両方の立場があって、結局どっちなのよってずっと揺れてた。

軽視するか重視するか。
感情を決断の拠り所にするか否か。 

もともとそういう、両極を比べて、どっち!とかいう考え方が極端でよくないんだと思い、
努めてグレーのまま決着をつけず放置しようと訓練していた節はあった。
揺れているならいつか落ち着くから放っておこうと。

感情に呑まれず自己認知していきながらコントロールするのがいいのはそれはそうだし、なんでもバランスの話なんだろうと。

しかしこの「どっち」というのも、いろいろ分析できずにごっちゃに考えていただけで、この本を読んで新しい視点を得られたような気がします。

例えば負の感情を感じてもいいけど、使っちゃいけないんだな、と。
自分に何らかの入力が入って、気に入らなかったとか傷ついたとか感じてもいいけれど、出力時に「怒り」を表す表情とか声とかを使用して態度で相手を制圧しようとしてしまうのはダメなんだな。たぶんそういうことのようです。

重視も軽視もしないけど、ただそういう事実として観察できる自分、
それによって態度を選び取れる自分を冷静に進んでいくというか。

嫌われる勇気の中にも「怒りは出したり引っ込めたりできる道具」「怒りを使う目的は相手を負かし自分の力を証明するため」という部分がありました。

 

補足ですが、アドラーを読んだからこういう考えになれたんじゃなくて、
今まで感情に対しての思考が蓄積したものが、アドラーの一滴で閾値に達して顕在化したのだと思います。

三角なのか丸なのか見極められないでいたら、円錐だったと気付いたときのような気分。

誰だっていつでも変わりたい

いいものを受け入れて、問題は問題と認めて明るく是正したい。
楽しむことを選び続けたい。
真剣だけど深刻にはなりたくない。
変わることは知ることから。痛くても自己認知を繰り返して、世界も知りたい。
対処療法ではない、本質的な対話がしたい。

あと、自分は平凡で普通なんだって、それでいいんだと心の底から思いたい。
本読もう、ひとに会おう。

3ワード要約

最近 booklog でひとりでやってる、1冊の本を3ワードで要約するやつ。

「いまここ」
「選択」
「他者貢献」

自己啓発本流行るの全然いいと思う

本の最後の方で、ワーカホリックになるひとは、他の責任から逃げたいから働きすぎてる、とありました。

厳しい指摘かもしれないが、その通りだし、だからこそ過労死とかブラックとかいろいろ言われてる社会で、こういった内容を受け入れられるひとが多い(売れてるってことはね)というのは嬉しいです。
ワーカホリック自体、いい悪いじゃない。自己啓発本流行るの全然いいと思いました。

 

「嫌われる勇気」は、青年と哲学者との議論の様子が対話方式になって書かれているので読みやすいのですが、内容はショッキングで受け入れがたいことも多そうです。理由は「自分の感じ方や考えかたが原因である」ということを前提に話されているからですね。

 

嫌われる勇気が好きなかたはこの本も好きなんじゃないかなあと思います。自分の内面を見つめて、どう生きるべきか考えるためにおすすめの本です。 

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