読みました。 自分の気になったところメインでサマリー。
英語が苦手な人の脳内がどうなってるのかわかって非常におもしろかった。
多くの英語学習本でよく聞く「これからのビジネスマンには英語ができないと生き残れないよね」のような、外的な動機を重視しない姿勢が好感でした。
- 読書期間
2017/01/26〜1/28 - きっかけ
「新版 これからの思考の教科書 論理・直感・統合 ビジネスに生かす3つの考え方 (光文社 知恵の森文庫) 」の酒井穣さんが書いているので気になった
要点
英語くらいできないと、というのは、読者を脅迫して学習に向かわせている。学ぶ意義を語っている本は少ない
マスターするのに長い期間は絶対に必要
書くことはできてスピーキングが難しいのは
- 日本語で組み立ててから和英翻訳するプロセスを経ているので、短期記憶と長期記憶を行ったり来たりしすぎてパニック状態を起こす。
- 書くことは発音に注意する必要もないし、じっくり考えられるから。
- スピーキングスキルの差は、そのまま脳内における英語の回路(和英翻訳を介さず、英語で考える)の発達段階を示している
聞き取れるのに話せないのは
- 聞いたり読んだりする「受け身の語彙」と書いたり話したりする「自発の語彙」がある。
- 日本語でも、聞く言葉はなんとなく意味がわかるが、自分で使えるわけではない。それと同じ。
- 多聴は英語学習に必要な行為だが、アウトプットして始めて受け身の語彙→自発の語彙になる
インプットとアウトプットの両方が必要
- 英語に苦手意識を持っている日本人の多くは、アウトプットの方を機会がないという理由でほとんどしない。
- インプット形式の英語学習は、一部理解が不十分なところがあっても聞き流したり読み飛ばしたりして甘えが入り込む
- アウトプット形式の英語学習は、自分が理解不十分なことを放置するという甘えが許されない
隙間時間に1人でできるよいアウトプット英語学習
- つぶやき学習法(英語で独り言)
- 簡単な知ってる単語を英語で声に出して説明する
- 自分の説明と英英辞書を比較する
英語の発音について
- ここの単語の正確な発音をひとまず無視する
- 上級者になるまでは英語のリズム感を身につけることに集中する
内容語と機能語の違いを知る
英語のリズムをつかむために大切 内容語と機能語を音で区別して、聞いたり話したりするクセを学ぶ必要がある
内容語
- book,good,moveなど、名詞、形容詞、動詞
- 文の意味の中心となる
- 内容語は伝えるべきことなので強調される
- ゆっくり、はっきり、大きく話す
機能語
- to,and,the,can,youなど前置詞、接続詞、冠詞、助動詞、代名詞、be動詞
- 文の構造を支える
- 省略されても意味が通じる
- 早く、短く、弱く話す
世界で最も広く使われているのはブロークン・イングリッシュ→機能語を一切使わずに内容語だけを話す英語のこと
英会話の上級者は、聞こえていない機能語を脳内の英会話の記憶で補って聞き取っている。
間つなぎは、正しく使おう
- 日本人にとって待つなぎはに使う「アー」や「エー」は内容語であるかのように聞こえるので、ネイティブは嫌う
- 英語らしい待つなぎを使おう。小さな声ですばやく話す。
- You know…
- Well…
- So…
- Umm…
- I mean…
リズム感を鍛える
ポイント1 リズムを常に意識する
- 内容語と機能語の強弱を意識し、内容語に重点を置くようなクセをつける。
- ラップのようなリズムを意識する
ポイント2 リズムを数える
- 音のかたまりを拍として数える
ポイント3 身体を動かす
- 会話中の身振り手振りが、リズムと深く関係している
- 観察によると、内容語が話されているときは身振り手振りが大きい。機能語のときはそれが小さくなる。
英会話学校について
- ネイティブ・スピーカーであることと、優秀な英語の講師であることは別の資質
- 知りたいのはネイティブの発音ではなく、外国語の学習プロセスであ?
- 英会話学校は、最低でも中級者くらいになってから利用するようにすべき
その他興味のあったところメモ
- 語源辞書おもしろいよ。語彙の広がりが加速すること間違いなし。
- 英語が理解できるようになると、日本語も上手くなる。
- 英語人格と日本語人格があると感じる人が多い。言語回路ごとに人格が発生している可能性がある。

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