〈House Bird〉のミニチュアをつくるべく、熱溶解積層方式3Dプリンタを使用して試行錯誤してみたメモです。
結論、PETG樹脂はめちゃくちゃ削り加工に向いてなくて、ひたすら大変だったから次はレジンでつくろうと反省したという話です。
ハウスバード関連の記事は3回に分かれています
- ハウスバードのミニチュアをつくる【1/3】熱溶解積層方式3Dプリンタ編
- 💡いまここ
- ハウスバードのミニチュアをつくる【2/3】3Dプリンタ光造形レジン編
- ハウスバードのミニチュアをつくる【3/3・最終回】両面取りシリコン型レジンキャスト編
モデリングデータ
House Bird の 3D モデルはこちらから拝借しました。
Vitra公式サイトでCADデータも公開しています。
Vitra社が販売している正規品のハウスバードはこんなやつ。いつか欲しいです。
世界的家具デザイナーのイームズ夫妻は、民芸品もお好きで、世界中からコレクションしていた民芸品の中でもこの鳥さんをとても気に入っていたそう。
印刷する
ミニチュアなので、くちばし〜尻尾までの横幅をちょうど10cmに縮小し、印刷にかけます。
3Dプリンタは〈FLASHFORGE Adventurer4〉
素材のフィラメントはPETGの白色にしました
できたてホヤホヤの鳥さん
土台からべりべり剥がします。
腹の部分が薄かったのか、積層痕に沿っていっしょに剥がれてしまいました。
中はハニカム構造になっている。
この程度ならパテでなんとかなりそうなので、そのまま仕上げていくことにしました。
パテで整形する
剥がれてしまったサイドの部分は〈タミヤ エポキシパテ〉を2,3mm厚くらいに伸ばして貼りつけ
サイドの部分がだいたい整ったら、次に、全体に〈タミヤ パテ(ベーシックタイプ)〉を塗布し、積層痕を埋めるようにした。
研磨する
表面の局面が滑らかになるまでひたすら削っていく作業です。
普段ジェルネイルを趣味としているので、紙やすりよりネイルファイルのほうがコントロールしやすかったです。削り作業で粗めの工程はすべてネイルファイルでやってました。
半円型ネイルファイルの 80/120番とか
スポンジのバッファは局面を滑らかに削りやすかったです。100/120とか120/180の種類を使用しました。
400とか600番あたりになったら、紙やすりを使用しました。
やすりをかけていく工程で、パテがほとんどなくなって、結局本体の樹脂を削ってました。
ただ樹脂がPETG(ペットボトルのキャップのような素材)なので、とにかく硬く、削りづらい。頑丈な素材なのはいいことなんだけど…
結局、気に入らない凹凸をパテで埋める→削るを6回くらい繰り返し、
家族に「もうやめたら」と言われるくらい執念で磨き続け、やっとつるんとしました。
足をつける
ピンバイスで穴を開け、市販の棒を接着します。
棒は、先細りになっていく形状の〈ウェーブ マテリアル テーパー丸棒 (1.0→3.0mm) No.OM-331〉を使用。
足は3Dプリンタで印刷しなかったのですが、位置だけわかるようにちょっと凸部分の目印があったので、そこに1.6mmのドリルで穴を開けます。中はハニカム構造のほぼ中空なので、貫通します。
〈ゴッドハンド ドリルビット〉を使用。
長さ10cmのテーパー棒が、足の長さの4cmあたりでちょうど太さ1.5mmくらいになってくれるので、穴に問題なく入りました。
▼ 足接着乾燥中
エアブラシで塗装
サーフェイサーの後、全体を黒色に塗装して完成です。
塗料は〈ガイアカラー 032 アルティメットブラック〉を使用。
完成
お、真っ黒カッコよくていい感じ!
ただ、よーーく見ると、磨ききれなかった部分の積層痕が指紋みたいに見えてくるのが悔しい。
所感
樹脂が硬くて、とんでもなく加工が面倒くさいので、これを最終品にするのはちょっと厳しい。
あと、足も樹脂製なのでそのうち折れてしまいそうです。
リベンジということで、次は積層型の3Dプリンタではなく、光造形の3Dプリンタを使ってレジンでつくってみることにしました。
2に続きます