〈wilfa コーヒーグラインダー スヴァート アロマ〉で デディカアルテ用の最適な挽き具合はどれかの検証メモ

先日、〈デロンギ デディカアルテ〉を購入しました。

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〈デロンギ デディカアルテ〉で理想的なエスプレッソを抽出するために、我が家のグラインダー〈wilfa コーヒーグラインダー スヴァート アロマ〉のどの挽き具合が相性がいいのか検証しました。

結論、9と10の間(9.5)が最適そうということがわかりました。

条件をできる限り揃えながら、挽き目を1ずつ変えて抽出テストをしました。そのメモです。

そもそもよいエスプレッソとは

そもそもよいエスプレッソとはなんだっけ、をまとめておきます。コーヒー屋店員時代の知識や経験もちょっとありつつ、信頼できる書籍を拠り所にしています。

コーヒーでわからないことあったらこの本をいつも開いてるくらい、結構マニアックで大好きな本です。

グラインダーやエスプレッソマシンのメンテナンスや、完璧なエスプレッソを抽出するための調整方法などもイラスト豊富で細かく載ってます。 フルカラーで分厚いのに2,500円(2024年6月現在)でお安めというのもすごい。

エスプレッソのクオリティを決める「変数」

改めて、エスプレッソについて。
よいエスプレッソを抽出するためには、ざまざまな要因(変数)が存在します。

エスプレッソの出来栄えを左右する5つのパラメーター

  • ❶ 粉の分量
  • ❷ 抽出量(液量)
  • ❸ 抽出時間と豆の挽き目
  • ❹ 抽出湯温
  • ❺ 圧力
5つのパラメーター 理想的な値 デディカ アルテのスペック※1と今回の環境
❶ 粉の分量 16〜20g 16g
❷ 抽出量(液量) 15〜45ml ※2 40ml(クレマ込みで36g程度)
❸ 抽出時間と豆の挽き目 20〜30秒で抽出できるように挽き具合を調整する ここを今回検証していきます
❹ 抽出湯温 92℃ 90℃(マニュアル調整不可)
❺ 圧力 9気圧 9気圧(マニュアル調整不可)

「理想的な値」の出典:コーヒーは楽しい! 絵で読むコーヒー教本

❸ 抽出時間と豆の挽き目について

先述の表のように、バランスのよいエスプレッソができる抽出時間は20~30秒です。

抽出時間は、さらにふたつのパラメーター(変数)に影響されます。
A 粉の挽き目(粒度):グラインダーを調整する
B 粉の分量:16〜20gが適正量

Bの粉の分量は16gと一定にしますので、Aの粉の挽き目(粒度)を今回グラインダーで調整します

調整は通常以下のような方法で行います

出典:コーヒーは楽しい! 絵で読むコーヒー教本

その他の変数の考慮

その他、本に載っていなかった変数として、以下の要素もあると考えますが、今回は理想的な品質を加味しつつ、検証中は一定になるように配慮しました。

  • 水質:中硬水の水道水を使用
    • → デディカアルテ付属の水質チェッカーで調べた結果です
  • 焙煎具合:深煎りのエスプレッソ用を使用(豆の種類は後述)
  • 湿度:70%(室温25℃)
  • タンピングの強さ:15~20kg
    • → 体重計で計り、毎回その感覚を意識しつつタンピングしました。

試した環境

グラインダー

wilfa コーヒーグラインダー スヴァート アロマ CGWS-130B

コーヒー豆

WOODBERRY COFFEE ROASTERS の クラシックブレンド

  • エスプレッソマシン、もしくはマキネッタ(直火式エスプレッソマシン)向きの豆
  • 焙煎度合い:5段階中4 (商品ページに記載あり)

エスプレッソマシン

デロンギ Delonghi デディカ アルテ メタルシルバー EC885J-M

  • ポルタフィルター:デディカアルテ付属品
    • バスケット:2人用
  • 注意や補足
    • デディカアルテは抽出に失敗するとお湯が自動で止まってしまうことがあるようで、検証の際それが見受けられた場合は、再度抽出ボタンを押すようにした。
    • サードパーティのポルタフィルターではまた抽出具合が変わってくるので、この検証結果は付属品フィルタの場合のみ通用

グラインダーについて

挽き具合

〈wilfa コーヒーグラインダー スヴァート アロマ〉は、17段階で調節可能。上部のホッパーを回すことで、挽き具合の目盛を調節できます。

目盛は、上部の豆カップに筒状に印刷されているため、全体像がわかりづらいですが、平らに広げたイメージを作ってみました。

〈wilfa コーヒーグラインダー スヴァート アロマ〉の挽き具合17段階のイメージ

ここでは「MOCCA」が一番細挽きなので、一番細かい挽き目17「MOCCA」から検証スタートです。

結論:挽き目9と10の間(9.5)が最適そう

〈wilfa コーヒーグラインダー スヴァート アロマ〉を使用し、上記の環境かつ、デディカアルテの付属品ポルタフィルターを使用した場合、
挽き目9と10の間(9.5)が最適そうということがわかりました。

忘れないように、9と10の間にマスキングテープを貼っておく

この値でずっとそのまま固定でOKいうわけではありません。湿度や豆の焙煎具合、ポルタフィルターの種類などの変数が変わると、目盛を少し調整する必要があります。しかし、基本的には9.5付近を基準にするのがよさそうです。

挽き目と抽出の状態サマリー

グラインダーの挽き目を1目盛ずつ検証した際の各目盛の状態を表でまとめました。
より細かい観察は次の章に並べてます。

挽き目 抽出できたか バスケット底まで湯が届いたか
17

湯は上部に溜まる
16
全く抽出されない

底まで届いていない
15
数滴

底付近まで濡れる
14
数滴

底付近まで濡れる
13
数滴

底までしっかり濡れていた
12
全く抽出されない

底までしっかり濡れていた
11
1mlくらい出た

底までしっかり濡れていた
10
量は通常だが、苦すぎて風味が悪い

湯がちゃんと通過
9.5
一番最適そう

湯がちゃんと通過
9
抽出時間が早く、シャバシャバ

湯がちゃんと通過

各挽き目ごとの観察

先ほどの結論とサマリー表がすべてで、ここからは蛇足です。各挽き目で試したときの、詳細な観察と記録です。

数字が大きいほど挽き目は細かくなります。一番細かい挽き目17からスタート

挽き目 17

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
細かすぎるようで、全く抽出されない フィルターの底付近が全く濡れていないので湯が届いていない。湯は上部に溜まってしまっていた

挽き目 16

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
挽き目17同様、全く抽出されない 挽き目17同様、フィルターの底付近が濡れていないので、下まで湯が届いていないようだ

挽き目 15

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
2滴出てきた フィルターの底付近まで濡れていたのでそろそろか

挽き目 14

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
1滴出てきた 挽き目17同様、底付近まで濡れていた

挽き目 13

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
2,3滴出てきた 底までしっかり濡れていたのでそろそろ抽出できるレベルに近づいたか

挽き目 12

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
全く出ない!!!なぜ 出ないが、底まで濡れいて湯が届いてはいる様子

挽き目 11

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
ポタポタ出た。5ミリくらい。まだ細かすぎる模様 挽き目14~12と同じ感じ

挽き目 10

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
検証開始して初めてまともに抽出できた。片方から多めに出るので詰まり気味かも。飲んだら濃すぎて頭グラッとしたのでもう少し粗くてもいいかも 湯が届いていてる。びちゃびちゃでもなく、湯がちゃんと通過できた感じ

挽き目 9.5 ★最適

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
一番最適そう。天候やフィルタの種類によってはもう少し粗くていいかも 挽き目10と同様

挽き目 9

本体目盛り コーヒー粉の状態
抽出物 バスケット内
シャバシャバなので粗すぎるかも 挽き目10と同様

※ コーヒー粉の状態の写真がどの挽き目でも大差なくて、あんまり意味がなかったな

おしまい

Wilfa のドーサーは一部飛び出ているところがあって、これがちょうど5cm幅くらいなのでポルタフィルターのバスケット径に収まり、コーヒー粉が入れやすいので大変便利でした。たまたまかもしれないけれど。