憧れの一脚だった〈イームズ アームシェルチェア LAR〉を買いました。
かなり古いヴィンテージで、座面が破れているのもあり、わたしでも手の届くお値段でしたので、勢いでポチ。 キャッツクレイドルは膝を抱えるような座り方ができて本当に落ち着く。
イームズチェアにあまり詳しくなかったので、この機会にいろいろと調べてみました。
スペック
- トップ:アームシェルチェア
- アプホルスター ナウガレザー
- FRP(ガラス繊維強化プラスチック)
- ベース:キャッツクレイドル クローム
- 製造:1956
- メーカー:モダンファニチャーセールス(ハーマンミラージャパンの前身 ※後述)
- サイズ:W630 × D620 × H625 × SH320mm
- 座面高:約320mm
所感
- 見た目よりふかっとしてなかったけど、逆に硬めで座りやすい
- 破れている部分は硬いので広がらなそう
- 合皮だけどとても丈夫な感じ
- 座面が低く、膝を抱えるような姿勢になるので落ち着く。これよこれ。
ディテールと用語整理
トップ
アプホルスター ナウガレザー
アプホルスター
- ファイバーグラスシェルチェアに布張りを施したシェルチェアのこと
- 黒く縁取られている部分はアプホルスターの特徴で、モールといいます。
ナウガレザー
- ビニールレザーで、合皮のこと。
- 「ナウガ」というのは架空の生物だそうです。面白い。(出典: イームズシェルチェアに使われているビニールレザー「ナウガハイド」とは )
ファイバーグラス製
シェル本体はガラス繊維のプラスチックで、「FRP」(Fiber Reinforced Plastics 繊維強化プラスチック)とか「ファイバーグラス」とか言ったりもします。
FRP製のシェルチェアは1990年に製造中止になっていますが、2014年に復刻しているようです。(出典:イームズ・ファイバーグラスチェアの歴史)
ベース
キャッツクレイドルベース
ベースはキャッツクレイドルと呼ばれる、細いロッドの組み合わせが美しい低めの脚です。 キャッツクレイドル(cat's cradle)は、あやとりの意味。確かに、ピンと張った紐のようですね。
イームズシェルチェアの脚は様々な種類があって、
イームズのプラスチックシェルチェアがここまで有名になり、これほどの人気を得たのにはその座面の形状の愛らしさの功績ももちろんあるのだが、脚部のバリエーションの多さもその一翼を担っていたとはいえまいか。左で紹介するだけでも8種類。
しかし、実際には16種類以上あるといわれている。
出典:初めてのインテリア名作・定番チェアの本
このように、16種類以上もあるとか。
マウント
メーカー
モダンファニチャーセールス社
モダンファニチャーセールス社は日本の会社で、ハーマンミラーから正規ライセンスを取得して1960年頃の一時期だけ日本でシェルチェアを生産していました。
「ハーマンミラージャパン」の前身にあたる会社だそうです。
—日本におけるハーマンミラーの歴史ー 1964年3月 日本ハーマンミラー家具販売株式会社を株式会社伊勢丹の子会社として設立 1964年4月 株式会社モダンファニチャーセールスと改称 1988年7月 米国Herman Miller, Inc.がハーマンミラージャパン株式会社を設立 1989年3月 ハーマンミラージャパン株式会社が株式会社モダンファニチャーセールスを吸収合併し現在に至る
(出典:SOUA - HermanMiller)
56.6.24 とあるのは、そのまま1956年6月24日製造というこうとです。
1956年は昭和31年で、調べると、 エルヴィス・プレスリーが第6弾シングルを発売したり、「週刊新潮」新潮社から創刊されたり、モロッコがフランスから独立したり、気象庁が発足したり、日本が国際連合に加盟したりした年だそうですよ。
さらに、イームズラウンジチェアが発表された年でもあるそうです。
破れているところ
置いてみた
置く場所迷ってますが、とりあえずチェスカチェアのいる横に椅子コレクション的な感じで置いてみました。
モノトーンなので馴染みやすい。
破れにはムートンファーをかけようと思います。猫が気になってまれに引っ掻いてるので、それ防止のため。
おしまい
わたしが生まれるずっと前、それどころか、親世代が生まれる前からずっとどこかで大切に使われて来たものが、いまもきれいに残っているのは素晴らしいですね。
敬意を持って大事にしようと思いました。
今日もお読みいただきありがとうございます🪑