SONY α7C II と純正レンズ FE 35mm F1.4 GM を買いました

少し前に「iPhone 16 Pro Max を買ったらフルサイズミラーレスカメラが欲しくなった話」という記事を書きました。

8saki.hatenablog.com

その中で、iPhone 16 Pro Max は優等生な写真が撮れるけど、
「スマートフォンが行うコンピュテーショナルフォトグラフィーの画像処理による効果ではなく、レンズや本体の "物理的な構造" の差によって実現できるものを求めているのだ」
という思いが強まった。ということを書きました。

FUJIFILM X-T20 が調子悪くなったのと、すこし不満があって新しい写真の体験がしたくなったということも。

というわけで、カメラとレンズを買うことになりました。
選んだカメラは、フルサイズミラーレスカメラの〈SONY α7C II〉 とレンズは〈FE 35mm F1.4 GM〉。
選んだ動機や理由などをまとめておこうかと思います。

今回も情報量多く、ほぼ自分向けの覚書です。読みづらかったらすみません。

自分は写真で何がしたいのか整理

前回の記事で分かった、自分がそもそも写真で何がしたいのか。

現状の不満や不足を解消するには、やりたいことを叶えるにはどうすればいいのか、ひとつづつ整理した。

やりたいこと 1:ブログ写真(旅行風景、インテリア、物撮り)をきれいに写したい

現状 打ち手
iPhoneでも記録には十分だが、iPhone では出せない画力を求めている。 撮りたいものに合わせて選択肢が多いレンズ交換できるカメラ(=ミラーレス一眼のこと)のほうが満足しそう。カメラを買う。センサーサイズはAPS-Cでもきれいだが、どうせなら小さな夢だった大きいフルサイズを試してみたい。

やりたいこと 2:素早く正確なAF(オートフォーカス)がほしい

現状 打ち手
X-T20 でフォーカスのスピードと精度が不満だった。 レビューや友人の体験談を聞き、AFといえばSONYが優秀らしい。

やりたいこと 3:被写体に結構寄りたい

現状 打ち手
iPhone 16 Pro Max は接写ができる。カメラでも結構寄った商品写真やテーブルフォトが撮りたい。 寄れるかどうかは、レンズの「最短撮影距離」による。
大きく写したいなら望遠で撮るか、おいおい接写レンズを購入検討しても良さそう。

やりたいこと 4:写真が歪まないでほしい

現状 打ち手
広角で撮ると、カメラでも画角の端っこの方が伸びたように歪むらしい。iPhoneが広角気味なのでいつも2倍ズーム(48mm)で撮るようにしていたくらい、歪みがかなり気にする方。 広角レンズの中でも、できる限り焦点距離が長いレンズを使って撮影をすることで、歪みを抑えることができるようだ。(一般的には、35mm以下が広角レンズ)
とはいえ、広角寄りな方がつけっぱなし運用に広く対応してくれて便利そうなので、広角寄りかつ焦点距離が長めの単焦点レンズを吟味して買いたい。

やりたいこと 5:iPhoneで出せないボケがほしい。立体感や臨場感のあるエモい写真を残したい。

現状 打ち手
スマートフォンは一般的に小型センサーのため、物理的に深いボケを得るのが難しい。ポートレートモードなどでソフトウェア処理が使われた写真は不自然になりやすい。自然なボケ感や立体感は専用カメラの方が圧倒的。 低いF値(開放気味の絞り)、かつ、センサーが大きいほど、ボケやすい。背景ボケや立体感を求めるなら、F値が低い明るいレンズと、センサーサイズの大きなカメラの組み合わせが鍵。
カメラの物理的な特性から生まれる自然なボケ感と、iPhoneでは難しい空間の深みが表現できそう。

条件の整理

「何がしたいのか整理」を踏まえて、ボディ・レンズの条件をリストアップしてみる。
(ボディ・レンズそれぞれの条件が混ざってますが、総合的に「写り」の条件ということで、あえて混ぜておきます。)

ボディの条件

MUST(絶対ないと)

  • フルサイズ
  • 小さくて軽い
  • 見た目が黒くてかっこいい
  • 接写できる、もしくは20cm程度まで寄れるレンズ
  • 目で見たままの画角、色
    • → 後で編集したいので、クセのない写りがいいという意味
  • 可動モニター
    • → バリアングルでもチルトでも動けばよし
  • 暗い室内や夜でもノイズ少ない
  • USB Type-C充電
    • → iPhone 16 Pro Max が Type-C なのでもう全部 Type-C にしていきたい
  • iPhoneに写真を転送するのが簡単な純正アプリ
    • → SDカードリーダー使えばいい気がするが
  • 手ブレ補正
  • ボディとレンズで40万円前後までであれば出す

NICE TO HAVE(あったらいいが、なくても買う)

  • 目で覗くファインダー
  • フラッシュ
  • 防塵防滴
  • できればいろいろな焦点距離で撮りたいので、単焦点よりズームしたいが、単焦点の魅力に納得できればそれでもいい

実機を触りまくる

ブログやYoutubeで知識入れるものの、質感や重さなどは実際使ってみないとわからないということで、ボディ選びはビックカメラ有楽町に行き、試しまくりました。

候補は、SONY だと α7 III、α7 IV、α7C、α7C II 。
FUJIFILM だと X-T5、X-T4、X-S20 。

見た目と質感と写りと操作感が好きなものを、各メーカー片っ端から触りまくり、探しまくること1時間。やはり見た目は SONY と FUJIFILM が圧倒的に好みで、購入候補だった α7 III、α7 IVは重すぎて無理だということがわかる。

ビックカメラでの所感

見た目・質感

  • やはり見た目の良さで際立っていたのが FUJIFILM と SONY だと思った。質感や作りの良さがハイレベルで、「これはいい」と思えた。他のメーカーは個人的には思えなかった。
  • SONY は、真っ黒でソリッド、角張ったデザインが圧倒的に好み。ぎっしり詰まったような重厚感も満足。カメラは機能ももちろん大事だけれど、やはり見た目や触ったときの感触も重要な要素で、「見た目がかなり気に入ってる」というのはやっぱり選ぶ際に外せないポイントだと実感。
  • α7C II が SONYの中では1番見た目が好き。
  • α7C はグリップの質感がチープで好みでなかった

重さ

  • α7 III、α7 IV は重くてゴツくて、絶対持って出かけるのが無理だなと思った。
  • α7C、α7C II はまだゴツいがギリ許容。これで「コンパクト」って言われてるのに驚いた。
  • FUJIFILM は X-T5、X-T4、X-S20 が SONY と比べると薄くてコンパクトでかっこいいし良さそうだけど、FUJIFILM が人気で品薄であり、そもそも入手困難な感じだった。

操作感

  • AFは圧倒的にどのメーカーよりも SONY が早くて正確だという体感があった。
  • FUJIFILM は 2018年に買った X-T20 から操作性・UIが変わってなくて使いづらいなと思った。

FUJIFILMは持ってるので、使ってみたかったSONYにした。FUJIFILMで不満だったAFの速さと精度もSONYは申し分なかった。実際触ってみて、こりゃ、やっぱ SONY にするか。と、心が決まる。実際触るのマジ大事。

SONYストア銀座でレンズ選び

レンズ選びはソニーストア銀座へ。レビュー記事や動画をたくさん見て、〈FE 35mm F1.4 GM〉でほぼほぼ気持ちは決まっていたものの、キットレンズやマクロレンズなど他に気になるレンズをいくつも試し、やはり1番好みだった〈FE 35mm F1.4 GM〉を選んだ。

SONYストアでレンズたくさん試させてくれた優しいお兄さんありがとう

買いました

情報整理にめちゃくちゃ時間かけて悩んだけど、やっと、実際触りに行ってみて決めました。

レンズ〈FE 35mm F1.4 GM〉と〈SONY α7C II〉

マップカメラで中古美品を買いました。
安いのと、もう傷モノであることで気にせず即ガンガン持ち出せるところがいい。中古はいい。マップカメラの美品・良品はほぼ新品なくらいきれいですし、前の持ち主もカメラが好きでカメラをきれいに使ってくれたんだなと思うといい気持ち。

ボディ:〈SONY α7C II〉を選んだ理由

これまで書いてきた写真に求めたいものや、スペック条件を踏まえ、さまざまな条件をクリアし、質感も気に入った〈SONY α7C II〉の購入を決定。先のボディの条件である各機能を備え、防滴防塵やファインダーなど「あったらいいな」の機能も盛りだくさんだったのが良かった。
フルサイズのわりにはかなりコンパクトで重すぎず、今のわたしにぴったりすぎるのが〈SONY α7C II〉。ほぼ一択という状況だった。

ひと世代前のα7C でもいいかなと思ったのだけど、α7Cグリップの質感が好きじゃなかったので α7C II にした。 α7C II は画像処理エンジンが第二世代「BIONZ XR」なのも決定の後押しに。色味がさらにきれいらしいし、UIも使いやすくサクサクらしい。期待。

フルサイズかつコンパクトなもの、という条件は実際に触ってみることで思ったより重要であることを実感しました。重くて大きいと、本当に持って出かけるの嫌だってなって諦めると思う
α7 III、α7 IV もコンパクトな方のフルサイズミラーレスカメラで、YouTuber さんなんかはヒョイっと軽々持って(プロだからな)ますが、手も身長も大きめのわたしですら「これはゴツくて無理だ」となってしまいました。

マップカメラにて2024/10/29購入で、¥248,800でした。

レンズ:〈FE 35mm F1.4 GM〉を選んだ理由

レンズは〈FE 35mm F1.4 GM〉を購入。
F値1.4とかなり明るいレンズであり、期待している「ボケ感」をめいいっぱい楽しめそう。
また、SONY のレンズの最高峰シリーズである「G Master」シリーズのレンズにしてみました。高価で重いですが、最高のいいレンズを使ってみたかった。どうせ「フルサイズを使ってみたい」という小さな夢を叶えるのであれば、レンズもめっちゃいいやつ使ってみたい。それで、撮影に失敗しても道具のせいにせずに腕のせいにできる状況のほうが上手になりそうだなと思ったから。

初心者は単焦点は難しいから、万能なズームレンズの方がいいという意見も見た。しかし、わたしの場合、あとで編集する際にじっくり考えてクロップすることの方が多いから、単焦点でよいと思った。被写体を前にし、撮りながら画角のことも考えるのは忙しくて逆に難しそう。

被写体に寄りたいと言っていたが、このレンズの最短撮影距離は27cmのため、まあまあ十分であった。

マップカメラにて2024/10/29購入で、¥171,800でした。

24mm と 35mm で悩んだ

焦点距離の近い単焦点レンズに、この〈FE 35mm F1.4 GM〉と〈FE 24mm F1.4 GM〉があります。かなり悩みましたが、わたしは35mmを選びました。

選んだ理由

  • 写りを見て35mmが好みだった
  • 35mmの方が立体感が強く感じる
  • 圧縮効果が24mmより期待できる
  • 緑や黄色の色ののり具合がしっかりしてる
  • 絵力が強い
  • 画角の端が歪みづらい
    • 35mmは広角の割には歪まないらしい。体感は確かにって感じする。
  • 24mmは iPhone の写りに似た印象で、フラットで立体感がない感じ
  • よくクロップするので広角すぎないほうが好みなのかも
  • このレンズで撮った後クロップして望遠ぽい画角にしてもきれいに耐えそうなので35mm便利そう

1週間使ってみて

気に入ったところ

支離滅裂な素人の感想です

写り

  • とにかくAFがバチバチにきれいで感動する。
  • AFめっちゃ早くて正確。
  • 解像感がいいというのがめちゃくちゃわかる。目で見てるのより綺麗。
  • 拡大してもすごく綺麗。
  • ボケが美しくて感動する。
  • こんなに適当に撮って、奥行きのある美しい写真が撮れるのか。
  • 「クリエイティブルック」で、FUJIFILMのフィルムシミュレーション的な写真が撮れる。FUJIFILM X-T20 の「クラシッククローム」がお気に入りだったので、SONYのクリエイティブルック「FL」を適用させてホワイトバランスを少しいじることで、似たような彩度の低い青っぽい写真がつくれて最高。

本体

  • 本体の質感がとてもいい。
  • 本体思ったより軽い(バッテリーとメモリカードを含み:約514g)。小さいけどぎっしりしてる感じがいい。
  • カメラストラップを通す金具の固定が固く、カチャカチャ揺れない仕様になっている。
  • Type-Cで充電できるのがいい。あらゆるものが同じケーブルで充電できるスッキリさったらない。
  • 中古だけどすごく綺麗な本体だった。レンズも。中古だと、開ける時も使う時も緊張しなくていいのがいい。レンズを大事に使ってた人の気持ちが乗っている気がして気分よし。
  • バッテリーが%表示されてわかりやすい。
  • 目元のセンサーでディスプレイと電子ファインダーの切り替えの精度がいい。

体験

  • SONYのカメラ向けツールが揃っている「Creater's App」の出来がいい。iPhoneに送りやすい。
  • SONYはUIが使いやすい。
  • 初期設定をiPhoneでやるのがとてもスムーズだった。写真を iPhone に送るのもめちゃくちゃスムーズで、ストレスない。FUJIFILMはここが不便だったのでありがたい。

精神面

  • ソニーが“最高峰”と位置付けるレンズシリーズ「G Master」なので、撮るのに失敗したら道具のせいにせず、単に自分の勉強不足なんだなと思えるところが気持ち的に楽。「この道具は大丈夫」と疑わなくて済むのがいい。フルサイズというのもそう。
  • 画像編集はデザイナーとしての仕事でそこそこやってきたのだけど、本や動画で学び直すと本当に奥が深い。今までよりも理解が進んで仕事にも役に立ちそうだし、知ることと試したりして気づきを得るということがただただ楽しい。
  • ド素人すぎるんだけど、撮って出しのことしか頭になかったので、好きな色味にするにはFUJIFILMしか選択肢がないのだと思ってた。SONYはクリエイティブルックの機能を使って撮って出しの色をコントロールすることができるし、そもそもあとで現像時に編集すればFUJIFILMじゃなくてもいくらでも好きな色味にできるんだってことにようやく気づいた。

うーん…なところ

  • 画面はバリアングルモニターよりチルトの方が使いやすい気がする。チルトの方がスッと滑り出せて手順が少ない。
    • → とはいえ、バリアングルは画面を内側にしまえるので傷付かなくていいとも言える。
  • 設定などいじってると本体がまあまあ熱くなってくる。20分で20%くらい電池減った。
    • → とはいえ、撮影自体は1日出かけて持ちはよかったので大きく不満はない。
  • フォトグラファー YouTuber さんたちは「こんなに小さくて軽い!」って言ってるけど、それはもっと立派な機材を普段お持ちだからであって、そういうプロ用の重い機材と比較した感想なのかもしれない。一般人の趣味的な用途で考えたらやはりちと重いなと思った。本体500g以上、レンズ500g以上ある。肩と背中を鍛えようと思った。iPhone 16 Pro Max が300g以上あって重たいとか言ってるのがどうでもよくなってきて、前向きになるという副次的な効果もある。ちょっと重いもの持ったくらいで疲れたとか言うわたしが悪いです、上半身を鍛えます、という気持ちになってくる。

でも本当にそのくらい。不満はほとんど無視できる。

YouTubeで「微妙」と言われてたことは全部気にならなかった

YouTubeのレビュー動画を見まくった中で、残念ポイントとしてよく挙げられていた内容に対して思うこと。
わたしが初SONYだから気にならない、というのはありそうだけど。

  • シャッター音が安っぽい
    • →普通に格好よくて好きよ。シャッターボタンに添えた指にカシャンと響く感じが好き
  • マルチセレクター(参考)が無いのが微妙
    • →もともとFUJIFILMユーザーであり、SONYのインターフェースが今回初なので過去と比べる事はないしとくに困らない。確かにフォーカス当たってるところマルチセレクターで微調整できたら便利かもという気分にはなるが、馴染んでいたものを失ったという状況でもないからなくてもいいかな
  • ファインダーの画質が悪い
    • →普通にきれいで文句はない
  • ファインダーの位置が微妙
    • → 中央ではないことが微妙、と言われている節はあるが、むしろ中央でないおかげでディスプレイに鼻が当たって汚れることがないので好き
  • 各ボタンが押しづらい
    • →若干硬いつくりだなという気はするが、慣れたら大丈夫な範囲のものな気がする
  • SDカードシングルスロットなのがな
    • → 趣味で使うレベルなので気にならない

おしまい

カメラを持って、どこかに出かけたい気持ちになる。 家好き超インドアには大変珍しい発想。

重い?いやいや運動不足なわたしが悪いです。上半身を鍛えようという気持ちになってくる。

やりたいことはやりたい時に楽しんどくべきだし、そのときどきの感性で熱中できるものを全力で満喫したいと思いました。買ってよかった。