中古マンションを購入し、スケルトンリノベーション(内装をすべて壊して躯体状態からつくりなおすこと)しました。
今回は、完成状態をWEB内覧という形で、間取りと全体の雰囲気がわかるような写真でまとめてみます。
(図面イラストや写真は、自ら作成・撮影したものです)
リノベーションのスケジュール
2019年7月 リノベーション会社を決め、情報収集のためセミナーに参加する
2019年8月 住宅ローンのための資金計画をファイナンシャルプランナーと行う
2019年10月 中古マンションを購入
2019年11月〜 設計開始
2020年1月末 不動産所有権が売主→我々に移転
2020年3月 着工
2020年5月23日 いったん完成で施主検査、そのあと1週間の是正工事期間
2020年5月31日 引き渡しを完了し、晴れて自分たちの家を手に入れる
リノベーション会社
リノベーション会社は、不動産探しから設計、施工までワンストップでおまかせできる「ゼロリノベ」さんに依頼しました。友人がゼロリノベでリノベーションをしていたこともあり、紹介してもらいました。
リノベーション前
解体中
▲ 着工式の時点
▲ 解体後、配管工事を行ったあとです
リノベーション完成後
- 76㎡
- 築20年
Before
After
▲ だいたい設計が終わったときの模型です
動線や間取りのポイント
- 既存マンションの画一的な間取りにせず、廊下をなるべくつくらない
- ドアや行き止まりなく、ぐるぐると回遊できる
- 奥行き感のある入り組んだ間取りにする。気配を感じながらも、死角が多いのでパーソナルスペースがつくりやすい
- 夫婦でそれぞれ自室をもつ
- 今後の働きかたの変化をふまえワークスペースのあるSOHO住宅
- ルンバが動き回るために総フラットにする
- 猫と暮らしたいので、猫用のステップやウォークをつくる
- 収納には、パントリーとウォークスルークローゼットが必ずほしい
- 将来子ども部屋用に区画できるようにする
などなどです。各ディテールについては、また次の機会に書きますね。
エントランス
エントランスはオープンな靴棚があり、土間がL字になっています。床の素材はモルタルです。
▲ ドアを開けてすぐ
▲ パノラマで撮ってみました。少し歪んでいますが、90°にL字になっています
▲ 突き当たりのスペースは、猫のトイレや植物、自転車などを追々格納できる場所になります。
▲ 作りつけの靴棚が6段。靴が好きなので、見せて並べます。
▲ アルネ・ヤコブセンのブラケットライトをアクセントにしました。玄関は人感センサーにしてます。
▲ 斜めに切って遊び心
リビング、ワークスペース、ダイニング
エントランスからまっすぐ歩くと、ワークスペースとリビングが見えます。さらにその奥の左側に、ダイニングがあり、3つの機能のある部屋がL字につながっていて、仕切りのないワンルームの大空間になっています。
天井を躯体現しにしているので天井が高く、2.53mあります。窓がもともととても大きい物件で、2.4mあります。日が入りやすく、開放感があって気に入っています。
ダイニングの天井にシーリングファンがあります。憧れていたのでうれしい。床暖房やエアコンの風を撹拌してくれるので冷暖房効率がよくなるらしいです。植物をたくさん置くため風の流れをつくることを重要視してたので、待望の機能です。
▲ シーリングファンは、オーデリックの6枚羽根
リビングの上には金属のケーブルラックが這っていて、インターネット機器やプロジェクターなどをここに置きます。
天井スレスレ、こんな感じ。黒い箱はルーターです。この隣にプロジェクターを置き、ここから壁に向かって投影します
▲ 投影する壁
ワークスペース
リビングの横は、ワークスペースにしました。きっとこの先何十年もここに住むことになったら、働きかたも変化してきて在宅の割合も多くなるだろうと考え、SOHO住宅にしたいという希望がありました。
子ども部屋など新たに個室が必要になったときに、ここのワークスペースに壁を作り、区画できるように想定されています。
壁一面に、横3mの作りつけのデスクを設けました。
▲ 梁の手前に渡っている板は、キャットウォークです
猫用のしかけ
ワークスペースの作りつけデスクから、キャットステップを上がり、キャットウォークへと続くように板を渡しました。
猫は高いところから人を見たり外を眺めたりするのが好きなようです。猫の目線だとこんな感じに見えるんでしょうか。
床の切り替え
ダイニング+キッチンと、リビング側は床材が切り替えられていて、ゆるくゾーニングできるようにしました。キッチン、パントリー、洗面などの水まわりの床は、水や汚れに強い樹脂タイルです。リビング側はウォルナットのフローリングです。
掃き出し窓側も同じく樹脂タイル続きにしたので、植木鉢を置いてもあまり気にならなくてよさそう。
ダイニング
ダイニングの最大の特徴は、造作のベンチです。
造作ベンチは、壁付け側のほうが奥行きを大きくつくっており、体育座りをしたり、デイベッド代わりに寝転んだりをしやすくなるように考えました。
▲ ベンチの座面はすべてあけることができ、下は収納になっています
ダイニングの造作ベンチとキッチンはモルタルのカウンターで仕切られていて、配膳やコミュニケーションも楽そう
キッチン
キッチンは、サンワカンパニーの「Osso」を採用。総ステンレスで、業務用っぽい雰囲気がかっこいい。
モルタルのカウンターの内部に、スパイスニッチをつくりました。
キッチンのガスコンロ側はタイル貼りです。大きめのグリット状に貼りました。掃除もしやすくなります。
収納棚や家電などがダイニングから見えてほしくなかったので、すべてパントリーに隠してます。
▲ キッチンの真後ろに、パントリーやお風呂へと続く開口があります
パントリー
▲ この位置に冷蔵庫が来ます
電子レンジや炊飯器なども、ここに並びます。電源をたっぷり取りました。
洗面
ワークスペースの真後ろが洗面スペースです。洗面、風呂、パントリー、キッチンが連なっていて、ぐるぐる回ることができる空間です。
洗面スペースも、開口のみでドアを付けませんでした。さっと入ってさっと使うことができます。
洗面はキッチンとおそろいの真四角のタイル貼り。キッチンのタイルより2回りくらい小さいタイプです。
TOTOの実験用シンクを使いたかったので、入れてもらいました。
脱衣スペースが見えるとよくないので、お風呂利用時はカーテンで仕切れるように、カーテンポールをつけてます。
その奥に洗濯機と風呂
風呂
お風呂は極力簡素にしました。凹凸が少ないほうが掃除をしやすく、きれいに保てると考えたためです。TOTOの1616サイズで、マンションにしては大きめです。色も真っ白です。
体を洗うスペースの座る位置に対して シャワーのお湯がまっすぐ降りかかるように、シャワーと照明の位置を逆にしてもらいました。TOTO発注時にそういうオプションはないんですが、設計時と取り付け工事時にそういった相談ができました。
キッチン越しに外が見えるのが最高です。
▲ 風呂からの景色
クローゼット
通り抜けられる通路とクローゼットを融合させて、ウォークスルークローゼットをつくりました。家族の服はすべてここに一挙集中です。
▲ ワークスペースからウォークスルークローゼットに入るところ
基本的にすべての服をハンガーで吊ることを考えた仕様で、ハンガーポールが4箇所あります。
クローゼットを抜けると、個室2に続きます
個室2
個室2はわたしの自室になります。もともとドア不要と思っていたので、ドアがありません。
デスクは作りつけです。側面には可動棚があり、必要に応じて枚数を増やせます。
▲ 部屋2からエントランスと部屋1、ストレージのほうを見たところ
▲ 部屋2からウォークスルークローゼットに抜けるところ
クローゼットと部屋2は合わせてひとつの白い箱のようになっていて、壁が天井に接しておらず空いているので圧迫感がありません。梁や壁の上端が立体交差していて、いろんな面が複雑に絡んでいるところに空間の広がりを感じます。
トイレ
トイレは、クローゼットの隣に位置しています。
落ち着いてのんびり入りたいので、棚が大きめにつくられています。
壁紙も、濃い目のグレーにして遊んでみました。壁の下部分はキッチンやサニタリーと同じく、タイル貼りです。
個室1
個室1は夫の部屋。猫と暮らしたとき、猫アレルギー気味なので寝室からは隔離したいため、ドアで完全個室にできる部屋です。
収納
棚を置いて、物置き的な一角になる予定です。
細いスペースができたので、作りつけの棚をつけてもらいました
おしまい
1年弱かけて、やっと完成しました。自分の好きな内装で暮らすことが幼い頃からの憧れだったので、すごくうれしいです。
今後も こだわりポイントやディテールなど、リノベーションに関わる記事を備忘録として少しずつ書いていきます。