2年ほど前にうちに来たフィカス・アフリカンプリンス Ficus 'African Prince'、大きく育ち、わたしの下手な剪定もあいまって樹形が乱れてきてしまったので、整えたくなりました。
上の方の枝が梁に届いてしまい、光も届きづらく葉も傷んでいたため、この辺りの枝を切り、もう少し低い高さのところに移植したらいいんじゃないかと考え「接木」をしてみることにしました。
切った枝を「挿木」で増やすんじゃなくて、木の真ん中の方に「接木」持って来れたらわさわさして可愛いのではないかと。
観葉植物の「接木」の方法はあまりネットで見つからなかったので、手探りでチャレンジです。
ビフォー
ビフォーの全体。
このへんの枝がとくに乱れてるので切りたいです。
梁についてしまい、太陽の方を探してねじれてる(ごめんね
もともとこの辺りの雑な剪定が気になっていたので、ここの途切れた部分を台木として活かそうと思います。
大きい枝が3つ分岐していたうちの1本を結構前に選定して、そのまま芽も出ず沈黙していたところ。選定した枝は挿し木にしてひとにあげました
接木の手順
接木はほぼ初めてです。以前、サボテンの接木をしようとして失敗したことがある程度。成功はしたことないです。
この記事が一番わかりやすかったので、参考にしました。
全体の手順はこんな感じ
1.樹木を準備する
2.台木を準備する
3.穂木を台木に接ぐ
上のリンクのような梅の木などの接木はよく見かけるんですが、観葉植物の接木の話は、調べても情報が少なめですね。
ガジュマルの接木の鉢が売っているのを見たことがあるので、このように商品にできるということは、成功率が高く安定して生産できるからなのでは、と踏み、フィカス属はやりやすいんじゃないかと推測。
まずは移動する枝(穂木)を切る
葉を2枚くらい落としました。葉を維持するためにも体力を使うので、挿し木にするときは葉を少なくするようにしてたのですが、接木もそれやったらいいかもと思ったのが理由。
穂木をV字にカット
枝が硬すぎて、よく切れるナイフでもまっすぐにするのが難しい。 枝が青く柔らかいうちにやるもんなんだろうなと思いつつ、まあ実験してみようのつもりでこのまま進めます。
なんとか真っ直ぐになるよう切ります。
フィカス属は、切ると白い樹液が出ます。適度にティッシュで吸い取りつつ、もしかしたら吸い取りすぎない(乾燥しすぎない)方が、組織が付くときにいい仕事するのかもしれないと思い、少しは樹液で濡れ気味にしておきました。
移動予定地(台木)にも切り込み
台木にもナイフで縦に切り込みを入れました。
さっきの参考にしたウェブサイトは、結構薄め浅めに切っていましたが、こちらは枝が太く硬いので安定させる狙いで、厚め深めに切ってみます。
台木に穂木を差し込む
穂木と台木の形成層が合えばよいらしいので、おそらくここだろうという部分をなんとなく合わせます。確証はない。
固定する
ラップを細長く切って、枝にフィットするようにきつめに巻きました。
本来は〈接木テープ〉というものを使った方がいいようなのですが、接木は頻繁にしなそうなので専用アイテムを持っててももったいないし、ラップで試してみたかったのでラップを使用することにします。
全体
完成
こんな感じになりました。
ビフォーアフター並べると
経過観察
2箇所の経過がわかるように、左側をA、少し上の右側をBとし、それぞれ見てみます。
Aの変化(ダメでした)
Aは変化が大きいのでとくによく観察しました。
2日目
接木実施したのが7/2です。
水切れの時のように、しんなりしてきました。穂木と台木の形成層が合ってなかったのかもと早々と心配になります。
5日目
7/7
葉が落ちました。
8日目
7/10
葉がすべて落ち、枝全体がしぼんできました。
16日目
7/18
枝をつまんでみると、弾力がなくスカスカしている気がする。
18日目
7/20
なんかダメっぽいので、開けて確認してみましょう。
白カビっぽいのが発生し、黒い斑点も出ています。匂いはしないので腐ってはないと思いますが、やはり穂木側に水分や栄養が流れず、乾燥して枯れてしまったようです。
抜いてみるとこんな感じ。 枝の芯の部分がカサカサで空洞になってます。
台木の部分は切れ込みが入ったままですが、このまま塞がってくれそうな気がするので、カビだけ広がらないように拭き取って、放置します。 Aは失敗です。残念。ごめんね。
Bの変化(うまくいきました)
16日目
7/18。
Bはずっとこんな感じで、葉も落ちなければしぼみもせず、元気です。形成層がうまく合ってくれたのかもしれない。
32日目
8/3。
ずっと同じ感じ。枯れないということは、水分や養分が回ってくれているのかな。枝も張りがあり、元気そうです。葉や芽に動きはありません
61日
9/1です。
本当にずっと同じ感じでした。しおれもせず動かず。
ただ、ここまで経ってダメにならないということは、水や栄養が行ってないとありえないはずなので、こちらBは成功としてよいのかな
植物の位置を30cmほど窓寄りに移動したので、写真の背景が変わっています。
もともとあった芽がかすかに動き始めている気がする。
左下のものは、少しふっくらしたからか外側の茶色い皮が剥がれて落ちました。
上部にも、芽っぽい小さいものが(写真ではよく見えないけど)現れ始めた。
成功したBのラップを外す
ラップ外してみました
いろんな角度から。
よくこれで生きてたのなというくらい、よくみたら刺さりが浅くて 樹液が溢れてそれが固まり、接着剤みたいになってた。ラップを外すときに、一部ラップにくっついてびよーんと伸びた。弾力がある。
おしまい
フィカスの挿木(さしき)は成功率が高く、強い植物だと言われてるけど、なんと接木もできました。
2,3日後に穂木の枝の表面が萎びてきたら、ダメだってことがわかりました。
形成層のうまい位置どりはぜんぜん勘所がなかったので、Bが成功したのはかなりまぐれだと思いますが、1/2成功してよかったです。