タイル貼り鉢スタンドを自作する

タイルでテーブルや飾り棚をつくっているひとを見かけたので、わたしもつくりたくなり、やってみました。

タイル貼りは難しそうなイメージがあったので上手くできるか心配だったんですが、
やってみると意外とやりやすくて、じっくり納得いくように丁寧にタイルを貼れました。仕上がりもいい感じ。

以下、プロセスのメモです。

手順

設計図を描く

いつもアウトプットしないと忘れちゃうんで、メモとして描いてみました。必要な道具や手順がこれ見てわかるので楽です。

Figmaでつくった設計図的なメモ書き

ちなみに設計図は、UIデザインをつくる用のソフトウェア〈Figma〉で描いてます。1mm = 1pxにすると寸法を把握しやすいので便利。Figmaはこういう図面を書くためのソフトウェアじゃないのですが、仕事でよく使うツールなので、慣れていてなんでもFigmaでやりがち。

芯となる木箱をつくる

ボックスつくります。ホームセンターの端材コーナーで売っていたラワン合板です。端材300x650 (350円)を2枚。

切り出し方はこんな感じ。

カット図面

右半分の内側用の板は、後ほど使うので、今時点での組み立てには使いません。

切り出して、ビス打ち。

簡単な箱です。

タイルを接着する

つくった箱に、接着剤でタイルを貼ります。

使ったもの

タイルや接着剤等は楽天で買いました。

タイル検討シート

タイル

タイルは楽天のこれを買いました。
45角 モザイクタイルシート 45-10v 黒 (×3枚)

接着剤

目地材

小さな作品なので、接着剤と目地材は少量パックのものを選びました。接着剤は少し余り、目地材はほぼピッタリでした。

アクリルエマルジョン系の接着剤は匂いが少なく、アクリル絵の具と同じかそれ以下くらい匂わないのでとても良いです。

接着剤は400g入ってて、今回255g使いました(145g余る)

その他、道具などは100均で揃えました。

100均で揃えたヘラやボウルなど。ヘラ代わりのワイドなターナーが便利

接着剤を箱に塗る

つくったボックスに接着剤を塗ります。直接出して、ヘラ代わりのキッチン用ターナーで伸ばします。

きれいに伸ばしたところ。接着剤自体の厚みは3mm程度が適切だそう。適当に、それくらいにしました。

タイルの密着をよくするために、筋を入れます。
筋の凸部分にぷちぷちと小さな山ができてしまうのは影響ないので大丈夫です。

本来、くし目ヘラという道具で筋をつけるそうですが、面積も小さいので代わりに割り箸で筋を書いてみました。
これで問題なかったです。

これ買おうか迷ったやつ

タイルをのせ、圧着

タイルをのせていきます。

向きは適当

自重をかけて圧着する。タイル一枚一枚を親指でグッと押した後、写真のように手のひらでさらに押す。

ゴムハンマーとかがいいらしいんですが、なんか割りそうな気がしたので手で力かけて押しました。
押すときに適当にやると、わりと滑ってタイルがズレてしまうので、手元を意識しながらそーっとやる。

十分押したら、はみ出した接着剤をウェットティッシュで拭き取りました。

側面も同様。
接着剤がわりと硬めで食いつきもいいので、すでにタイルを貼った上面を縦や斜めにしても、垂れたりずれたりしないです。

ヘラ(ターナー)で伸ばしてから、割り箸で筋をつける

側面の高さに合わせて、タイルを1/3カットしたものを同様に貼ります。

圧着

全面貼れました。

水でタイルの紙を剥がす

圧着したあと、10分ほど待って少し接着剤が乾いたら、上の紙を剥がします。
この紙は切手の糊のようになってるので、水を十分含ませて数分おくと、ぺろっと剥がれます。

滴らない程度にびちょびちょ

剥がします。

これみんな気持ちいいって言ってたけど、確かに気持ちいい。ぺろーーーん

剥がすとこんな感じ。モザイクタイルは目地が均等幅になっていて便利だし、きれい。
少しタイルがずれたところなどは、この段階で慌てずグッと押してずらして修正します。

丸1日乾かします。

キャスターをつける

接着剤乾きました。思ったより全体がかなり重いので、隠しキャスターを仕込もうと考えました。
本来なら、タイル貼る前にやってもよかったかも。

事前に書いた図面はこんな感じ。

キャスター取り付け図面

使ったもの

先ほどボックスを作ったときに用意していた、内側キャスター用の板です。

厚みを確保するために、ボックスつくるときも使用したものと同じ13mm厚の板を2枚ボンドで貼り合わせ。

◯はビス位置

写真の丸印のところは、貼り合わせを強固にするためにビス打ちました。

図面通りの位置にキャスターを取り付け。
車輪50mm、取り付け高65mmナイロン製の車輪で、ホームセンターでひとつ320円ほどでした。

使ったキャスター

取り付けるための家にあったトラスねじが黒いもののみだったので、まあいいかとこのまま使う。サイズはぴったりでした。シルバーがよかったけど、色はまあ見えないからいっか。

使ったトラスネジ

そんなにガチガチに固定しなくても大丈夫そうなので、1つのキャスターにつき2箇所ずつビス留めしました。実はキャスター裏にもボンド塗ってた。

キャスターをつけた板にボンドを塗ってから、ボックスにはめます。
少し余裕ありつつピッタリ。キャスターをつける板サイズは、ボックスの内法寸法よりもひとまわり(4mm)小さくしました。

ボンドだけだと心許ないので、ボックス本体に固定するために、念のため4箇所ビス打ちしました。

◯はビス位置

ひっくり返すとこんな感じ。

キャスターがすこーしだけ出てる分、真横から見ると、地面から8mm浮いてます。箱がただ置いてあるようなたたずまいにしたかったので、車輪の出る高さはギリギリにしました。

さりげなく浮いている、車輪は見えない。

キャスターはこれで完了。

タイルの目地材を塗る

タイルの目地材を塗ります。

使う材料はこんな感じ。接着剤塗ったときのヘラや、目地材を練るためのプラスチック製のボウルなど。

これは使うと思って用意したコテ台ですが、今回は使わなかった。

タイルをきれいに拭く

まずはタイル表面を水拭きしてきれいにしました。紙が貼られていたときの糊がまだうっすらついてました。綿のTシャツの端切れを水で濡らし、絞って使います。

要らない布で強めにゴシゴシ拭く

糊が取れるとツヤツヤ。

陶器ってきれいですね

全面拭いて、こんな感じ。いよいよ目地材を塗っていくぞ。

目地材をつくる

目地材をつくります。買った目地材は粉状で、水を混ぜて練ります。
一袋に対し125cc(ml)とこのと。目地材で手が荒れるようなので、ここからは必ず手袋を。

パッケージ裏面の説明書き

目地材の粉を入れたボウルに水を少しずつ注いで、その都度割り箸でよく混ぜます。水は4回に分けて入れてみました。 粉が細かいのでマスクもしながら作業したほうが良さそう。とはいえ、そーっとやればそんなに粉が舞う感じではないです。

ちなみにこのプラスチックボウル、あとで目地材が固まって捨てるときに、ボウルと目地材の剥がれがよかったのであとあと便利だった。大きさも絶妙。コンパクトだけど深さもあって混ぜやすいよい品です。
セリアで買いました。〈K658ミキシングボウル〉という商品。

水を計量してから、少しずつ注ぐ。水は4回に分けて入れてみました。

練っていきましょう

だんだん粘度が増してくるが…

125ml入れたけど、結構硬い。

説明書には、「マヨネーズよりも硬めのパテ状」とある。これはマヨネーズよりも硬めどころか、かなり硬い。味噌くらいだ。

緩くしたいので、水を追加します。適当に入れるとすぐ緩くなってしまっていい具合にするのが結構難しいので、慎重に。

水を10ml追加し、計135mlにしてみたら、いい感じになりました。

タイルに塗っていく

コテ代わりの100均ターナーですくって、タイルの上に直接ドバッとのせます。先述のコテ台不要の話は、タイル貼りするのが小物だからこんなドバッとなやり方で済んだというのが理由でした。

ドバァ

小さいヘラの方に持ち替え、目地材を目地に塗り込んでいく。

このヘラも使いやすかったです。丈夫で硬い素材だけど、薄いので適度にしなって、小回りきく感じ。これもセリア。〈プラスチックスクレーパー45mm〉という商品です。

目地材はモッタリしていて意外とスルスル入っていかないので、目地に対してヘラを沿わせてグッグッと突っ込んでいくのがよさそう。そうやってしっかり隙間に目地材を入れたあと、表面を撫でて平すというのがコツっぽい

ヘラの先を使って隙間に押し込んでいく

出隅(「ですみ」と読む。角の部分のこと。)も目地で斜めに切り落としたようにしたかったので、ヘラを押し当てて埋めていく

ヘラの先端を使ってざーっとなぞると、きれいに斜めに掻き取れる。

角がちょうど斜めにまっすぐ残る

とりあえず上面完成。

側面も一気にやりたいので、一旦上面をざっくりきれいにしておく。先ほどのTシャツ端切れで雑に濡れ拭きです。

あとで散々拭くのでそんなにきれいじゃなくてよし

側面も同じ要領で、目地材で埋めていきます。目地材はそんなにゆるゆるではないので、ポタポタ垂れてくるということはない。

側面やる時は立てずにこの向きのままやった

ちょっと浮いてると作業がやりやすいと思ったので、実はこの紙の下に別のキャスター付きのプランター台を入れて、ホールケーキつくるときみたいにクルクル回しながらやりました。やりやすい。

目地材はほんのちょっとだけ余った。一袋でほぼピッタリ。

足りなくなりもせず、めちゃくちゃ余りもしないときすごい嬉しい

ざらついたところや凹凸の大きいところは、指で撫でるとつるんと滑らかになります。

ちょっと指を濡らして撫でるといい感じ

拭いたり整えたりする

少し乾いてきたら(20分経過くらい)、目地材の表面が硬くなってヘラで削り取れるようになるので、出隅で凸凹した部分をヘラでざーっとなぞると、かなりまっすぐきれいな三角面が出せました。

青矢印の向きに、ざーっと削る

できました。

タイルがピカピカになるまで濡れ拭きを繰り返し、目地材塗り込み完了です。

完成

飾ってみました。めっちゃいい。思ったより目地グリッドの直線がビキビキに揃ってきれいにできた

タイル貼り鉢スタンドかわいいぞ